おいつぐ
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | おいつぐ;おひつぐ;生い継ぐ |
+項目名(旧かな) | おひつぐ |
+表記 | 生い継ぐ |
Title | Oitsugu |
テキスト内容 | 植物が生え代わってその後を継いでいく。万葉集に1例、山部赤人(やまべのあかひと)が伊予(いよ)の温泉に行って作った歌の中に「木群(こむら)を見れば 臣(おみ)の木も 生ひ継ぎにけり」(3-322)とある。この「臣の木も 生ひ継ぎにけり」は、伊予(いよ)国風土記逸文に、舒明天皇と皇后が伊予へ行幸に訪れた際、御殿の戸口の近くに椹(むく)と臣の二本の木があり、その木に鳥が集まってきたので、鳥のために枝に稲穂をかけて養ったとある記事をふまえている。舒明の行幸から3-322の歌の作られた時期は百年近く経ており、その間に臣の木も生え代わったのであろう。ただし当該歌は舒明天皇の故事だけをふまえているのではない。同じく伊予(いよ)国風土記逸文によれば、伊予国に行幸したのは、舒明天皇の他、景行天皇、仲哀天皇・神功皇后、聖徳太子、斉明天皇・後の天智天皇・後の天武天皇がいる。「臣の木も 生ひ継ぎにけり」とは、代々の天皇が皇位を継承していくことに加え、臣下も変わりなく天皇に仕えていく意味を含ませているのであろう。ちなみに臣の木とは、一説に樅(もみ)の木とされるが、実体不明の木である。 |
+執筆者 | 山﨑かおり |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 31781 |
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