いわどこ

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名いわどこ;いはどこ;磐床
+項目名(旧かな)いはどこ
+表記磐床
TitleIwadoko
テキスト内容藤原宮から寧楽宮への遷都の時の歌(1-79)に、大君の仰せで旧都から奈良の新都に通い、佐保川に辿り着いて仮寝をしている床の辺から明け方の月の光で見ると、あたり一面真っ白に夜の霜が置き、「磐床」のように川の氷が凝り固まっている、そんな寒い夜も休まず通い続けて造った屋敷にいつまでも住まわせてください、というように、氷の広く厚いのを例えた言い方として出てくる。巻13の挽歌部の歌(13-3329)で、亡き夫を偲んでいると思われる箇所の描写に、岩石の険しい道の、「石床」の這い回っている門を、朝はその外に出て嘆き、夕方は中に入って偲び続ける、という句が見える。這い回っているとある点で、「石床」の語義がよく分からないところだが、蔓性の植物の絡みついた状態を言っているようであり、「石床」は、亡夫を葬った横穴式墳墓の入口を指すと見られ、その入口から出たり入ったりして嘆いていると理解できる。なお、同じ巻13の相聞の部に、この歌の後半部を独立させたような歌があるが(13-3274)、挽歌ではないゆえ、「石床」は語義未詳とされる。「石床」自体がある種の蔓性の植物の異名かとも見られている。
+執筆者谷口雅博
コンテンツ権利区分CC BY-NC
資料ID31741
-68305402009/07/06hoshino.seiji00DSG000131いわどこ;いはどこ;磐床Iwadoko藤原宮から寧楽宮への遷都の時の歌(1-79)に、大君の仰せで旧都から奈良の新都に通い、佐保川に辿り着いて仮寝をしている床の辺から明け方の月の光で見ると、あたり一面真っ白に夜の霜が置き、「磐床」のように川の氷が凝り固まっている、そんな寒い夜も休まず通い続けて造った屋敷にいつまでも住まわせてください、というように、氷の広く厚いのを例えた言い方として出てくる。巻13の挽歌部の歌(13-3329)で、亡き夫を偲んでいると思われる箇所の描写に、岩石の険しい道の、「石床」の這い回っている門を、朝はその外に出て嘆き、夕方は中に入って偲び続ける、という句が見える。這い回っているとある点で、「石床」の語義がよく分からないところだが、蔓性の植物の絡みついた状態を言っているようであり、「石床」は、亡夫を葬った横穴式墳墓の入口を指すと見られ、その入口から出たり入ったりして嘆いていると理解できる。なお、同じ巻13の相聞の部に、この歌の後半部を独立させたような歌があるが(13-3274)、挽歌ではないゆえ、「石床」は語義未詳とされる。「石床」自体がある種の蔓性の植物の異名かとも見られている。132いわどこいはどこ磐床谷口雅博い1

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