いわいつま

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名いわいつま;いはひつま;斎ひ妻
+項目名(旧かな)いはひつま
+表記斎ひ妻
TitleIwaitsuma
テキスト内容忌み慎んで夫の安全を祈っている妻。万葉集に1例、巻7雑歌の臨時(臨時発思)の歌に、山椿の咲く峰々を越えて鹿を狙っているあの方、その帰りをいつまでも待っている斎い妻なのかなあ、私は、との歌がある(7-1262)。この場合の「斎ひ妻」は、夫が猟に出ている間、その無事を祈って潔斎して待つ妻をいう。1首を、「斎ひ妻」としてのよろこびのもと、夫を思う情を述べた歌と見る説(『窪田評釈』)、ある女を大事にしている男に対して、その知人である男が、からかった歌と見る説(『全釈』)、鹿を他の女の譬えとし、他の女を求めてあちこち出かけ、自分のところには寄りつかない夫を恨む妻の心情を詠んだとみる説(『釈注』)などがある。なお、葛飾の真間の娘子を詠んだ歌に、「斎ひ児」の例があり(9-1807)、こちらの場合は、人に手を触れさせないようにして大切に守り育てている子を指すことから、「斎ひ妻」の場合も、「大切にしている妻」の意である可能性も考えられる。
+執筆者谷口雅博
コンテンツ権利区分CC BY-NC
資料ID31733
-68297402009/07/06hoshino.seiji00DSG000123いわいつま;いはひつま;斎ひ妻Iwaitsuma忌み慎んで夫の安全を祈っている妻。万葉集に1例、巻7雑歌の臨時(臨時発思)の歌に、山椿の咲く峰々を越えて鹿を狙っているあの方、その帰りをいつまでも待っている斎い妻なのかなあ、私は、との歌がある(7-1262)。この場合の「斎ひ妻」は、夫が猟に出ている間、その無事を祈って潔斎して待つ妻をいう。1首を、「斎ひ妻」としてのよろこびのもと、夫を思う情を述べた歌と見る説(『窪田評釈』)、ある女を大事にしている男に対して、その知人である男が、からかった歌と見る説(『全釈』)、鹿を他の女の譬えとし、他の女を求めてあちこち出かけ、自分のところには寄りつかない夫を恨む妻の心情を詠んだとみる説(『釈注』)などがある。なお、葛飾の真間の娘子を詠んだ歌に、「斎ひ児」の例があり(9-1807)、こちらの場合は、人に手を触れさせないようにして大切に守り育てている子を指すことから、「斎ひ妻」の場合も、「大切にしている妻」の意である可能性も考えられる。124いわいつまいはひつま斎ひ妻谷口雅博い1

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