いそ
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | いそ;磯 |
+表記 | 磯 |
Title | Iso |
テキスト内容 | ①石。巌。②岩石の多い波打際。①については「磯の間ゆ 激つ山川」(15-3619)等の例がある。②は、「磯の崎 漕ぎ廻み行けば」(3-273)など。出雲国風土記・出雲郡宇賀郷の北の海浜に礒があり、これを「脳(なずき)の礒」という。礒の西方に窟戸があり、窟の内に穴があってその深浅は分からない。夢の中でこの礒の窟に到れば必ず死ぬという。土地の人はこの礒の窟を「黄泉の坂・黄泉の穴」と呼んでいる。また景行記で、ヤマトタケルが伊勢の地で亡くなり、八尋白千鳥となって天に翔るタケルを、妻子が泣きながら追いかけて歌った四つの歌(大御葬歌)の最後に、浜の千鳥は、浜は行かずに磯を行くことよ、と歌っている。これらの例から、「磯」は他界を喚起する、境界の場所というイメージがあったと説かれる。柿本人麻呂の石中死人歌において、歌い手の「我」が死人に遭遇するのが「荒磯面(ありそも)」であり(2-220)、「荒磯(ありそ)」を枕にして伏せっている(2-222)というのも、「磯」と他界との連関を示す例である。 |
+執筆者 | 谷口雅博 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 31707 |
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