いき

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名いき;息
+表記
TitleIki
テキスト内容①呼吸。多く溜息に用いる。②生命。「い」は「いぶき」の「い」(神聖な)、「き」は生命の源。①は人の死に「昼はも うらさび暮らし 夜はも 息づき明し」(2-210)と嘆息し、人との別れにも「あな息づかし相別れなば」(8-1454)と嘆息し、恋にも「いくばくも生けらじ命を恋ひつつそわれは息づく人に知らえず」(12-2905)と嘆息する。②は「息の緒に妹を思へば年月の行くらむ別も思ほえぬかも」(11-2536)のように、命そのものとして妹を恋するという。その息を「息の緒」だという表現は、万葉集に多く見られる。息は一つ一つが繋がっていると考え、それは緒(糸)で結びあっていると考えたのであろう。なお、浦島子を詠む歌には「ゆなゆなは 気(いき)さへ絶えて 後つひに 命死にける」(9-1740)と見え、気(息)と命とが区別されている。これは古くは「死」という概念が存在しなかったことから、生命の存続は「息」を基本としたのであるが、死という概念が入ることにより、死の段階が息から死へと移行したからだと思われる。
+執筆者辰巳正明
コンテンツ権利区分CC BY-NC
資料ID31695
-68259402009/07/06hoshino.seiji00DSG000085いき;息Iki①呼吸。多く溜息に用いる。②生命。「い」は「いぶき」の「い」(神聖な)、「き」は生命の源。①は人の死に「昼はも うらさび暮らし 夜はも 息づき明し」(2-210)と嘆息し、人との別れにも「あな息づかし相別れなば」(8-1454)と嘆息し、恋にも「いくばくも生けらじ命を恋ひつつそわれは息づく人に知らえず」(12-2905)と嘆息する。②は「息の緒に妹を思へば年月の行くらむ別も思ほえぬかも」(11-2536)のように、命そのものとして妹を恋するという。その息を「息の緒」だという表現は、万葉集に多く見られる。息は一つ一つが繋がっていると考え、それは緒(糸)で結びあっていると考えたのであろう。なお、浦島子を詠む歌には「ゆなゆなは 気(いき)さへ絶えて 後つひに 命死にける」(9-1740)と見え、気(息)と命とが区別されている。これは古くは「死」という概念が存在しなかったことから、生命の存続は「息」を基本としたのであるが、死という概念が入ることにより、死の段階が息から死へと移行したからだと思われる。86いき息辰巳正明い1

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