あわび
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | あわび;あはび;鮑鰒 |
+項目名(旧かな) | あはび |
+表記 | 鮑鰒 |
Title | Awabi |
テキスト内容 | ミミガイ科のクロアワビ、マダカアワビなどアワビ類の総称。巻き貝の一種ではあるが、楕円形の殻口が広く、殻が二枚貝の片側だけのように見えることから万葉集に「伊勢の海人の朝菜夕菜に潜くといふ鮑の貝の片思にして」(11-2798)と詠まれ、「片思」の比喩に用いられる。また、真珠の母貝となることから武烈天皇即位前紀に「琴頭に来居る影媛玉ならば我が欲る玉の鰒白玉」、万葉集に「伊勢の海の海人の島津(しまつ)が鮑玉取りて後もか恋の繁けむ」(7-1322)のように、美しい女性を例えたりもする。一方、万葉集に「御食つ国 日の御調と 淡路の 野島の海人の 海の底 沖ついくりに 鮑玉 さはに潜き出」(6-933)とあるように、「日の御調」として献上され、贄(にえ)として供えられるものでもあった。允恭紀14年秋9月条には、淡路島の神の祟りであい全く獲物が獲れなくなってしまった允恭天皇が、赤石の海底の大鰒にいだかれた大真珠を阿波国の海人・男狭磯の命とひきかえの尽力によって得、神に奉った説話が残されている。その稀少性が神に捧げる贄としての用途を生んだのであろう。 |
+執筆者 | 城﨑陽子 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 31688 |
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