ある
大分類 | 万葉神事語辞典 |
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分野分類 CB | 文学 |
文化財分類 CB | 学術データベース |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+項目名 | ある;荒る |
+表記 | 荒る |
Title | Aru |
テキスト内容 | 荒立つ。荒廃する。荒蕪の様。万葉集には「風吹きて海は荒るれど」(7-1309)のように、荒れた海が詠まれるが、その背後に海神の働きが想定されている。一方、「国見れど 人も通はず 里見れば 家も荒れたり」(6-1059)と久邇京荒廃を嘆き、「奈良の都の荒るらく惜しも」(8-1604)と奈良の都の荒廃を嘆く歌がある。久邇京は「山高く 川の瀬清し」のように山川清浄の都であった。その清浄と向き合うのが荒廃の姿なのである。奈良の都も「咲く花の薫ふが如く」(3-328)と歌われたのであり、美しく咲く花(都)と対置されるのが荒廃だというのである。都が荒廃するのは「国つ御神」(2-33)の心が衰えたからだともいう。荒れるという状態は、神のなす業である。また、「ま草刈る荒野」(1-47)のように、田畑として耕作のできない場所や、「かぎろひの 燃ゆる荒野」(2-210)のように、死者が去ってゆく場所も「荒野」であり、荒涼とした場所を指す。 |
+執筆者 | 辰巳正明 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-NC |
資料ID | 31686 |
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