あめなる

大分類万葉神事語辞典
分野分類 CB文学
文化財分類 CB学術データベース
資料形式 CBテキストデータベース
+項目名あめなる;天なる
+表記天なる
TitleAmenaru
テキスト内容「天上にある」の意。万葉集には石田王の挽歌に「枕辺に 斎瓮を据ゑ 竹玉を 間なく貫き垂れ 木綿だすき かひなに掛けて 天なる ささらの小野の 七ふ菅 手に取り持ちて ひさかたの 天の河原に 出で立ちて みそぎてましを」(3-420)とある一連の文脈の中に、「天なるささらの小野」が位置づけられており、この野に生えているとされる「七ふ菅」が祭儀の中で用いられる様が詠われている。また天上のものとして「日」を連想させ、さらには同音のヒにかかる枕詞として用いられる。万葉集には「天なる姫菅原」(7-1277)「天なる一つ棚橋」(11-2361)などの例もあり、ここに登場する原や橋は天上界に実在すると考えられている特異な菅原や棚橋であった。こうした天上界に存在することを「天なる」といい、そこにある事物を歌に詠むことで、石田王の「みそぎ」が実現不可能であったことを理解させる歌表現ともなっている。
+執筆者城﨑陽子
コンテンツ権利区分CC BY-NC
資料ID31665
-68229402009/07/06hoshino.seiji00DSG000055あめなる;天なるAmenaru「天上にある」の意。万葉集には石田王の挽歌に「枕辺に 斎瓮を据ゑ 竹玉を 間なく貫き垂れ 木綿だすき かひなに掛けて 天なる ささらの小野の 七ふ菅 手に取り持ちて ひさかたの 天の河原に 出で立ちて みそぎてましを」(3-420)とある一連の文脈の中に、「天なるささらの小野」が位置づけられており、この野に生えているとされる「七ふ菅」が祭儀の中で用いられる様が詠われている。また天上のものとして「日」を連想させ、さらには同音のヒにかかる枕詞として用いられる。万葉集には「天なる姫菅原」(7-1277)「天なる一つ棚橋」(11-2361)などの例もあり、ここに登場する原や橋は天上界に実在すると考えられている特異な菅原や棚橋であった。こうした天上界に存在することを「天なる」といい、そこにある事物を歌に詠むことで、石田王の「みそぎ」が実現不可能であったことを理解させる歌表現ともなっている。56あめなる天なる城﨑陽子あ1

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