テキスト内容 | つやつやと赤く照り輝く様をいう。「ら」は接尾語。元来、日の光がさす様をいい、「あからひく朝行く君を待たば苦しも」(11-2389)、「ぬばたまの 夜はすがらに 赤らひく 日も暮るるまで」(4-619)のように、あかく輝く意から「朝」や「日」にかかる枕詞となる。万葉集では女性の赤みを帯びて輝くばかりに美しい様を形容して「赤らひく色ぐはし児」(10-1999)「あからひく肌も触れずて寝たれども」(11-2399)のように「児」や「肌」にかかり、それは「島山に赤る橘」(19-4266)のような果実の様にも及ぶ。一方、筑前国の志賀の白水郎の歌に、「沖行くや赤ら小舟につと遣(や)らばけだし人見て解き開け見むかも」(16-3868)とあり、海難にあって落命した人をのせる小舟の装飾として船腹にべんがらを塗った様を「赤ら」と表現する。日の光のまばゆく、つややかな様態から転じて避邪の発想をもつに到ったと理解される。→<a href="http://k-amc.kokugakuin.ac.jp/DM/detail.do?class_name=col_dsg&data_id=68187">あけのそほふね〔赤のそほ船〕</a> |
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