【解説】伏見常盤

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分野分類 CB神道資料
文化財分類 CB絵画
資料形式 CBテキストデータベース
+登録番号(図書館資料ID)貴4605
+本タイトル
+解説〈外題〉なし 表紙に文字なし金箔の題簽(縦21.5糎×横4.1糎)
〈内題〉なし
〈巻冊〉1冊
〈体裁〉表紙は紺地花菱(はなびし)繋(つなぎ)緞子(どんす)。大和綴(袋綴)
〈書写年代〉天正~慶長頃
〈表紙寸法〉縦33.0糎×横25.3糎
〈書入・貼紙〉なし
〈奥書〉なし
〈蔵書印〉なし
〈解題〉

 全体にわたって裏打ちの補修痕があり、綴じ直されている。表紙に貼られた金箔の題簽、表紙と裏表紙見返しの金箔、本文中の挿絵の金泥が等質的であることから原表紙か。

 上記の書写年代は、縦33糎という寸法からの推定。奈良絵本としての特大縦型は縦30糎前後であり、当該本は特大絵巻物相当の寸法なので、絵巻物が奈良絵本化された姿を示すものか。この大きさは、石川透分類のⅠ期・天正頃以前(~1595年頃)かⅡ期・慶長頃(1595年頃~1625年頃)に当たるもの。奈良絵本の中でも古い部類に属する「古(こ)奈良(なら)」である。

近年の諸本研究では、最古態の位置に大東急本を置き、一方に物語草子系、もう一方に混態系と流れ、その混態系の共通祖本から幸若舞曲系の杉原本が派生し、さらには杉原本から末流伝本が生まれたとする。この中で当該本は、物語草子系に属する特徴をもち、大東急本・寛永本と近似する古本系。冒頭部については当該本が最古態であり、中盤の山中彷徨以降は大東急本が古態。

当該本の挿絵は人物の装束や髪形に統一性が見られず、複数の絵師が分担して描いたか。しかし、本文は冒頭から末尾まで同筆。

『伏見常盤』は源家の祖先を称揚する内容なので源家関係の嫁入り本として用いられたと推察され、当該本は随所に未完成であったことが窺えるので、婚儀のために準備されながら完成しなかった未完本か。〈参考〉に掲げた論文は、天正14(1586)年、豊臣秀吉が妹朝日姫を徳川家康に嫁がせる際に作らせたとする仮説を提示する。
〈参考〉

野中哲照「國學院大學図書館所蔵 奈良絵本『伏見常盤』の考察と翻刻」(『國學院大學 校史・学術資産研究』12号 2020年)
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