【解説】堀川夜討絵巻
大分類 | 図書館デジタルライブラリー |
---|---|
中分類 | 奈良絵本・絵巻物関係 |
小分類 | 堀川夜討絵巻 |
分野分類 CB | 歴史学 |
文化財分類 CB | 図書 |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+解説 | 堀川夜討絵巻 [貴4252] 〈外題〉なし(金銀切箔散らし題簽あり) 〈内題〉なし 〈巻冊〉1巻1軸 〈体裁〉巻子装 〈書写年代〉江戸時代中期か 〈表紙寸法〉縦28.7糎×横590.1糎 〈書入・貼紙〉なし 〈奥書〉なし 〈蔵書印〉なし 〈解題〉 幸若舞曲『堀川夜討』の絵巻。頼朝から義経暗殺の密命を受けて土佐坊は上洛する。そのことを知った義経は、土佐坊を堀川の自邸へ呼び出すが、土佐坊が起請文を書いたので放免する。その夜、土佐坊は軍勢を率いて堀川館を襲い、逆に捕らえられて斬首されるという内容である。 表紙は、金波に銀、綠、紫などの片輪車文様である。見返しや絵には、金砂子が散らされている。詞書は無い。樹木や建物等を利用して各場面を区切っている。絵は概ね幸若舞曲に依っているが、部分的に『義経記』の影響が見られる。もっとも顕著な例は、六条堀川の義経の館に土佐坊が押し寄せた時、門の内側に弓を持った喜三太らしき人物が描かれていることである。幸若舞曲には登場しないが『義経記』には、館に只一人残っていた喜三太が弓を取って応戦すると記されている。なお、武蔵坊弁慶がイボの付いた黒い棍棒を持っていることや、静が薙刀を取って戦う場面などは幸若舞曲通りである。 義経に勘当されていた伊勢三郎が、敵の首を取って義経に見せる場面では、絵入版本や他の絵巻等の多くが、二つの首を縁に並べているのに対し、本作品では刀に二つの首を刺して掲げている。また、武士達は烏帽子や兜を着けていない場合が多く、髪が短く逆立っている等の特徴がある。 〈参考〉 ・美濃部重克・美濃部智子『酒呑童子絵を読む まつろわぬものの時空』(三弥井書店 2009年) ・小林健二「静も諸共に切り払ひ切り払ふ―能《正尊》と幸若舞曲「堀川夜討」の静御前」(『国文学 解釈と鑑賞』75-12 2010年12月) ・松尾葦江 伊藤悦子「國學院大學図書館蔵『堀川夜討絵巻』の特徴について」(『國學院大學 校史・学術資産研究』5 2013年3月) |
+登録番号(図書館資料ID) | 貴4252 |
所有者(所蔵者) | 國學院大學図書館 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-SA-ND |
資料ID | 143199 |
- |