【解説】張良絵巻
大分類 | 図書館デジタルライブラリー |
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中分類 | 奈良絵本・絵巻物関係 |
小分類 | 張良絵巻 |
分野分類 CB | 歴史学 |
文化財分類 CB | 図書 |
資料形式 CB | テキストデータベース |
+解説 | 張良絵巻 [貴1739-1740] 〈外題〉なし 〈内題〉なし 〈巻冊〉2巻2軸 〈体裁〉巻子装 〈書写年代〉寛文・延宝頃(1661~1680) 〈表紙寸法〉縦33.0糎 〈書入・貼紙〉ルビあり(本文同筆) 〈奥書〉なし 〈蔵書印〉なし 〈解題〉 室町時代物語(お伽草子)の絵巻。張良にまつわる説話を集成した一代記的物語。下邳(かひ)の橋で出会った老翁の沓を拾い上げ、兵法の書かれた一巻の書を授かる話(子房取履譚)や、項羽と沛公が咸陽宮に攻め込み秦を滅ぼす話などからなる。張良にまつわる説話を題材にした作品は、お伽草子の他に能や幸若舞曲にも見られる。 お伽草子系『張良』の諸本は、今のところ6種の現存が知られており、柳沢昌紀氏は甲乙二つの系統に分類されている。甲本に当たるニューヨーク公立図書館スペンサーコレクション蔵本は、他本とは趣を異にしており、柳沢氏は「全体に張良の物語として読んだ時にまとまりがやや弱く、乙本より古態を示しているように感じられる」と指摘されている。残りの五種はすべて乙本系統で、本絵巻も乙本に分類される。乙本系統内での本文異同はほとんど見られず、漢字の宛て方、ルビの有無などの違いがある程度である。 なお、本絵巻の詞書書写者は、本学所蔵『舟のゐとく』(貴4201~4202)や『呉越絵』(貴2367~2369)と同一人物であると推定されている。また、この三つの絵巻の挿絵には、構図や画風が酷似するものが複数見られる。加えて、紙高や本文の料紙、下絵などの装訂が共通していることから、これらの絵巻が同時期に同一の工房で制作された可能性が高いと考えられる。 〈参考〉 ・松田存「スペンサーコレクション巻子絵巻「ちゃうりゃう」」(『二松学舎大学東洋学研究所集刊』23 1993年3月) ・石川透『奈良絵本・絵巻の生成』(三弥井書店 2003年) ・柳沢昌紀「奈良絵本『張良』解題・翻刻」(『中京大学文学部紀要』42-2 2008年3月) ・高山尚子「大阪大谷大学蔵奈良絵本『張良』翻刻ならびに國學院大學蔵絵巻『張良』一部校異」(『立正大学国語国文』48 2009年3月) |
+登録番号(図書館資料ID) | 貴1739~1740 |
所有者(所蔵者) | 國學院大學図書館 |
コンテンツ権利区分 | CC BY-SA-ND |
資料ID | 143189 |
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