流紋岩(熱水変質)リソイダイト

資料番号NG12-002418
大分類地学(岩石・鉱物)
中分類岩石 1
学名rhyolite
和名(通称名)流紋岩(熱水変質)リソイダイト
地層名変質流紋岩(リソイダイト)
採取都道府県熊本県
地質時代・年代新生代新第三紀中新世
採取市町村天草町
公開解説天草陶石は、着色不純物が非常に少ない、焼成時の変形が少ないなど、陶磁器の原料として高い評価をうけています。一方、天草砥石は上質の砥石として有名です。この縞模様が木目のように見えることから、「木目石」という石材としても用いられています。この天草陶石と天草砥石は地質学的には同じ岩石です。これらがどのような岩石かというと、元々の岩石は、小さな石英と長石の結晶が集まって出来た岩石(石英斑岩、珪長岩)です。石英と長石成分に富んだ珪長岩質のマグマが白亜紀~古第三紀始新世の地層に貫入(マグマなどが他の岩石、地層をつらぬいて入り込むこと)してできました。今から約1300万年前の新第三紀中新世の頃に貫入したとされています。これらの岩石は地層に貫入した直後、鉄の成分を多く含む熱水によって長石などが、粘土を構成する鉱物である粘土鉱物に変わる変質を受け、現在見られるような岩石になったと考えられています。このような熱水による変質を受けた珪長岩質の貫入岩は、宇土半島先端から、天草大矢野島、上島、下島の天草各地で認められています。とくに天草下島西部では2km以上の岩脈(地層に垂直に近い板状に貫入した貫入岩体)がいくつも確認されています。天草では、その中でよく変質し白~白灰色になった部分が陶石、陶石より変質の度合が低く酸化鉄が残り、白色~淡い褐色地に強い褐色の縞模様が残った部分が砥石として扱われています。
公開解説引用「熊本の自然と文化」~松橋収蔵庫だより~No.10. 解説No.55

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