編袋

ME. No.763
資料分類名網袋・編袋 Net Bag/Knitted bag
素材紐(植物製)、歯(犬)
L.(㎝)20
W.(㎝)29
地域区分メラネシア Melanesia
推定収集地1ニューギニア地域 ニューギニア島北東海岸/New Guinea, North East Coast of New Guinea
収集者小嶺磯吉
寄贈者松江春次
執筆者1杉本佳実
解説1茶色の植物製繊維を二重に撚った細糸で密に編まれた、把手付きマチなしの手提げ袋。網袋本体には、赤茶色や深緑色に染色された糸を編み込んだ横縞の文様帯が計4段確認できる。片面は数多くのイヌの犬歯で装飾される。歯根部に穿孔を施し、麻糸を通して一本ずつ網袋に縫い付けている。歯の装飾は計7段あり、各段15~18本の犬歯で構成される。総数112本を数え、少なくとも28頭分の犬歯が使われたことになる。ニューギニアではトーテム動物(特定の出自集団の始祖とみなされる動物)として犬を崇める部族も多く、その犬歯は威信財として高い価値をもち、婚資にも利用される。ほぼ同時期にヒュオン岬付近で収集された類例に、350本ものイヌの犬歯で飾られた網袋が知られる。当時としては高額の18マルクを支払うことで漸く入手したとの逸話が残る逸品である。本資料の歯牙数はそれには及ばないものの、高い価値を有していたことは間違いない。高位の権威者の持ち物だった可能性が高い。

「2018年度慶應義塾大学民族学考古学資料展 ANIMARTIFACT-時空を越える動物-」展示冊子(p.5)より
過去に出品された展覧会「ANIMARTIFACT-時空を越える動物-」(慶應義塾大学三田キャンパス図書館新館1F展示室、2019年1月18日~2月9日, 2月22日~3月7日)
本資料の掲載書籍慶應義塾大学文学部民族学考古学研究室 2019『ANIMARTIFACT-時空を越える動物-』 p.5

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