桂川寛

作者名(よみ)かつらがわ・ひろし 
生年(西暦)1924
没年(西暦)2011

略歴・解説

1924年、札幌市に生まれる。1948年、多摩美術専門学校入学。*50年中退。1949年、アバンガルド芸術運動体「世紀」に参加。1950年、第2回読売アンデパンダン展。1952年、第1回平和のための美術展。前衛美術会入会。ダム建設反対運動の山村工作隊を支援する文化工作隊として、山下菊二、尾藤豊らと小河内村に滞在。1953年、第6回日本アンデパンダン展に《小河内村》など数点のルポルタージュ的連作を出品。*以後同展に出品を重ねる。青年美術家連合の結成に参加、第1回ニッポン展に出品。*59年第7回展まで出品を重ねる。1954年、パンとバラの会5人展(タケミヤ画廊, 東京)。*山下菊二・尾藤豊・入野達弥・島田澄也。1958年、日本美術会事務局長となり、「芸術運動の条件」を報告。*63年退会。1960年、超現実絵画の展開展(国立近代美術館)。前衛美術会が復活し、復活第1回展に出品。*65年退会。1965年、円形タブロォ展(不忍画廊,東京)。1966年、戦争展(日本画廊,東京)。*67年、69年も出品。1970年、現代思想社「美学校」で戦後美術論の講述を行う。1981年、1950年代-その暗黒と光芒展(東京国立近代美術館)。1986年、前衛芸術の日本展(ポンピドゥー・センター)に「世紀」の共同制作を出品。1988年、日本のルポルタージュ・アート展(板橋区立美術館)。1994年、個展(アートギャラリー環,東京)。*『桂川寛作品集』刊行。1998年、戦後日本のリアリズム展(名古屋市美術館)。2000年、池袋モンパルナス展(練馬区立美術館)。2004年、『廃墟の前衛-回想の戦後美術』(一葉社)刊行。2011年、個展(豊島区立熊谷守一美術館ギャラリー)。【『刈谷市美術館収蔵作品目録』(発行:2013年3月)より】

《キャビンからの眺め》1965年 
《魚眼風景》1965年
目の形をした魚が涙を流し、マンボウも悲しそうにため息をついています。骨組みだけの建物や、風船なども描かれていて、海に沈んだ町のようです。もう1点の《魚眼風景》には、十字架のペンダントをつけた魚や、核実験のキノコ雲が描かれています。魚の目に映った世界を覗き見るような不思議な構図が、見る者を不安な気持ちにさせます。子どもの頃に戦争を経験した桂川は、戦争に反対する気持ちや実際におこった事件への批判を、幻想的な作品の中で表現しました。
(2023年度コレクション展こわい絵のひみつ 作品解説)

この作者の作品一覧[全3件]

件ずつ表示

PageTop