photo: KIOKU Keizo
Echoes-Crystallization
作家名(日) | 大巻伸嗣 |
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作家名(英) | OHMAKI Shinji |
制作年 | 2015 |
素材・技法 | 水晶、修正液、アクリル板 |
サイズ | H360 × W360 cm |
著作権表示 | © OHMAKI Shinji |
収蔵年 | 2016(作品購入年月日:2016/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1971年岐阜県(日本)生まれ、東京都在住。 東京藝術大学および同大学院で彫刻を学ぶ。大巻は、自身を取り巻く社会や環境と向き合い、個人的な問題意識から世界の共通認識に発展させて、鑑賞者の奥底に眠っていた記憶や身体感覚を呼び覚ます空間の在り方を探求し続けている。シンプルな素材によって軽やかに変容した場は、人の心に響き、忘れ去られた時間を思い起こさせる。 《Echoes-Crystallization》は、日本の絶滅危惧種の花々と常緑の松の枝を、修正液に水晶の粉末を加えて描いた作品である。光に反射してきらめく小さな水晶粉の輝きは、聞こえなくなっていたり、見えなくなっていたりする日常の些細なことを鑑賞者に今一度意識させ、忘れていた大切なものを思い起こさせる。この作品のモチーフである松は能舞台の鏡板から着想されたもので、何度も再生する生命、永遠に生き続ける生命を表している。もうひとつのモチーフである絶滅危惧種の花は、生まれてゆくもの、消滅してゆくものを暗示しており、消えゆく声なきものの一瞬の輝きに新しい世界を作り出す光明をもたらしたいという作家の思いが込められている。松と絶滅危惧種の花とが混在している状況は、現代社会における物事の移ろいやすさや存在の不安定さを映す鏡と見ることもできる。 |