ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩

作家名(日)スプツニ子!
作家名(英)Sputniko!
制作年2013
素材・技法映像プロジェクションと砂のインスタレーション(カラー、音声)、スクリーン、ラムダプリント、デバイス:スチール、アルミニウム
サイズ映像:4分30秒、デバイス:H115 × W75 × D70 cm
著作権表示© Sputniko!
収蔵年2016(作品購入年月日:2016/03/31)
受入方法購入
解説1985年東京都(日本)生まれ、同地在住。

2010年英国王立芸術学院デザイン・インタラクションズ専攻修士課程修了、マサチューセッツ工科大学メディアラボ助教を経て、2017年より東京大学特任准教授。スプツニ子!は、テクノロジーによって変化する人間や社会をテーマとし、作品ごとにSNSで制作チームを編成し、独自のデバイスを用いたミュージックヴィデオ風の映像を作る。SFやアニメ、B級スプラッタ映画、YouTubeなどのポップ・カルチャーを想像力の源泉にした作品は、科学的実証性の有無にはこだわらず、情報工学・バイオテクノロジーなどの新技術が未来の社会で引き起こす性差の越境や身体拡張の問題を提起する。

《ムーンウォーク☆マシン/セレナの一歩》はひとりの少女が、月に人類初の女性の足跡を残すという夢を叶えるべく、小さなアパートでハイヒールを搭載した月面探査機を自作し、プロトタイプを完成させる映像と、月面を模した舞台セットからなるインスタレーションである。映像では、学生時代のスプツニ子!の自己投影でもある少女が、衣食住を顧みず探査機の開発に没頭する様子を通して、実現不可能に見える目標でも諦めずに挑戦する力強い生き方が描かれる。また、劇中劇として、主人公が憧れる架空のヒロイン「ルナ☆ガール」をスプツニ子!が自演し、アニメ『セーラームーン』の決め台詞や、映画『修羅雪姫』や『キル・ビル』のごとく、悪への復讐に燃え日本刀によって鑑賞者が眺める画面を切り裂くなどの描写が挟まれる。そこに、少女を取り巻く男性中心主義的な社会へのシニカルなメッセージを読み取ることもできる。

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