photo: KIOKU Keizo
速度の落書き
作家名(日) | 小金沢健人 |
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作家名(英) | KOGANEZAWA Takehito |
制作年 | 2008 |
素材・技法 | 20チャンネル・ビデオ・プロジェクション |
サイズ | サイズ可変 |
著作権表示 | © KOGANEZAWA Takehito |
収蔵年 | 2016(作品購入年月日:2016/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1974年東京都(日本)生まれ、広島県在住。 武蔵野美術大学で映像を学んだ小金沢は、在学中より「スタジオ食堂」の活動に参加し、1997年には横浜で開催されたグループ展で映像作品を発表している。卒業後まもなくドイツに渡り、2017年初頭までベルリンを拠点に制作を続けてきた。映像を軸としつつパフォーマンスやドローイング、そしてインスタレーションへと表現の幅を拡げ、国内外で作品を発表。日常の機微を鋭敏に察知し、そこに潜む謎や不穏、美しさやおかしみを浮かび上がらせる作品は高い評価を受けている。 《蝶を放つ》は、近年集中的に取り組んできたパフォーマンスの経験がドローイングと結合した映像作品といえる。全てのページにインクを垂らし、様々な色彩の斑点が描き込まれたノート。小金沢自身がこのノートをリズミカルにめくっていく行為は音を伴ってモニターに映し出される。カラフルな斑点がうごめき、出現と消滅を繰り返す。原始的なアニメーションの手法だが、裏抜けや浸透した斑点が見開きページに対称的な構図を作り出し、その動きと音は蝶の羽ばたきを想起させる。一方、最大20台のプロジェクターを用いて空間全ての壁面に映し出される《速度の落書き》は、空間を用いた映像表現として彼の最大規模の作品である。夜の首都高速道路を走り抜ける車内よりヴィデオカメラを振り動かしながら撮影された映像には、ネオンサインやイルミネーションが都市の放つ光の痕跡として記録されている。多層的に編集されたその痕跡は、刹那のドローイングとして展示空間全面に描かれ、音楽的な要素を含んだ明滅は見る者を包み込んでいく。 |