photo: SAIKI Taku

なおす・復元「震災後宮古・鍬ケ崎さとう衣料店跡地より収拾したノートの復元」2012

作家名(日)青野文昭
作家名(英)AONO Fumiaki
制作年2012
素材・技法収拾物、合板、アクリル他
サイズH20×W29×D1cm
著作権表示© AONO Fumiaki
収蔵年2014
受入方法寄贈
解説1968年宮城県(日本)生まれ、同地在住。

1992年、宮城教育大学大学院美術教育科修了。在学中から「修復」という概念を作品に取り入れ、捨てられた物を収拾して、その欠損部分を修復することで彫刻作品を制作してきた。全体がどのような形であったのかを推測しながら、完全に元に戻すというわけではなく、欠けている部分に新たに別の物を充て、補い、なおすという作品である。融合や浸食によって異形を生み出す行為は、街中の既存の壁や路上にも及び、「美術の作品とは一体何か」についての疑義と批評も含んでいる。

《なおす・代用・合体・連置「震災後亘理町荒浜で収拾した部屋― 壁面の復元」2013》は、青野が追求してきた「修復」をテーマにしているが、物の来歴にも意味を求め、あらためて「震災シリーズ」として括られたうちのひとつである。東北を中心に未曾有の被害をもたらした東日本大震災の後に、亘理町荒浜を歩き、打ち捨てられて高く積まれた瓦礫や漂着物、置き去りにされた多くの物を採集した。生活を元に戻すことが復興のひとつの目標であった最中に、物や場所に宿っていた記憶や時間を装置(彫刻)にして可視化したのは、それまで集めた物の来歴に大きな意味を被せてこなかった青野の作品とは明らかに一線を画している。2竿の小箪笥を上下に積んで長尺の洋服ダンスに横付けした作品の本体には、「風呂屋だったのかも」というタイル絵付きのピンクの壁の一部がはめ込まれている。青野は絵を箪笥に馴染ませるかのように一部を書き足して融合させ、衣服やコップ、水道の蛇口、足下には箪笥に踏まれているかのようなスリッパを補って修復したのである。作品のタイトルに照らせば、まず制作過程の行為を順番に並べた後、「部屋」を収拾し、その壁面の修復をした、とあり、単に家具だけの修復を目指したものでないということになろう。

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