photo: WATANABE Osamu

朧銀壺 山かげ

作家名(日)蓮田修吾郎
作家名(英)HASUDA Shugoro
制作年2009
素材・技法朧銀
サイズH32 × W7.5 × D11cm
著作権表示© HASUDA Sue
収蔵年2010
受入方法寄贈
解説1915年石川県金沢市(日本)生まれ。2010年神奈川県にて逝去。

1915年金沢市生まれの蓮田修吾郎は、石川県立工業学校図案絵画科を卒業後、1933年東京美術学校工芸科鋳金部に入学し、鋳金作品を作り始める。純粋美術としての工芸を追求する蓮田の作品は早くから高い評価を集めていたが、1960年より始まる一連の「方壺」作品においてその評価を確かなものとする。蓮田のダイナミックな造形感覚は「工芸」にとどまることなく、環境造形としての巨大な空間モニュメントの制作にも意欲的に取り組んだ。1991年文化勲章受章。

日本の伝統的な金属工芸の世界を、今日的な純粋美術としての金属造形へと変革させた蓮田修吾郎を代表するのが一連の「方壺」の作品群である。日本建築の木が持つ柔らかな線に惹かれる蓮田は、方壺の稜線において有機的な線を描き出している。同時に、方壺の持つフラットな面は、鋳銅の素材としての朱銅、朧銀、青銅などが複雑な表情を見せており、存在感を際立たせている。蓮田の方壺作品の造形美は、その原型に集約されているといっても過言ではない。作家の手元で保管されていた117点の方壺原型は、蓮田が1970年代以降手掛けることとなる環境造形、モニュメントのイメージを彷彿させる。

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