photo: WATANABE Osamu

白楽茶碗 コロラドの土

作家名(日)十一代 大樋長左衛門(年雄)
作家名(英)OHI Chozaemon XI (Toshio)
制作年2005
素材・技法陶、コロラド楽土に白釉を施し楽焼焼成
サイズH7.3 × W15.5 × D15cm
著作権表示© OHI Chozaemon XI (Toshio)
収蔵年2012
受入方法購入
解説1958年石川県金沢市(日本)生まれ、同地在住。

十一代 大樋長左衛門(年雄)は、個人で作品を制作する陶芸作家であると同時に、350年続く大樋焼の家に生まれた。大樋焼は楽焼の唯一の脇釜で、茶道で使用する茶碗を制作してきた。茶碗を作るということは茶道との関係から陶の美を考えるということである。一方で、ひとりの作家としては、開かれた芸術工芸として作品を制作している。この2つの制作態度の距離を縮めてきたのが近年である。旅の途中でその土地の土を使用した焼物制作や、2013年には、福島第一原子力発電所から被曝した土地とそうでない土地を調べ、その境界ぎりぎりで安全な土から焼物を制作するというプロジェクトを始めた。

大樋のライフワークといえる「焼物による日記」シリーズのひとつである。楽焼は、低火度で焼ける焼物であり、手で形を作るプリミティブなものである。その特徴を活かして、世界中を旅し、その場の土を使って茶碗を制作し、焼くというプロジェクトである。まるで日記のように焼物を焼き続けた結果生まれたひとつである。焼く時は、ひとりの時もあるが、そうでない時もあり、そこに人と人との出会いがあり、また一期一会の旅の醍醐味がある。人と対話し、経験を共有する大樋の制作の特徴は、オープンでカジュアルなところにある。

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