photo: SAIKI Taku

桃色化粧金彩梅華皮志野垸

作家名(日)桑田卓郎
作家名(英)KUWATA Takuro
制作年2012
素材・技法磁土、釉薬、金
サイズH36.4 × W39.3 × D37.7cm
著作権表示© KUWATA Takuro
収蔵年2013(作品購入年月日:2013/03/25)
受入方法購入
解説1981年広島県(日本)生まれ、岐阜県在住。

若手陶芸家集団のイケヤン☆の活動から注目された桑田卓郎は、ユーモラスに誇張された形態とポップな色使いによって、これまでにない陶芸作品を生み出してきた。コップ、茶碗、皿など生活で使用できる工芸品も作るが、展示のためだけの純粋なオブジェも制作するマルチタイプの工芸作家である。キーワードは「遊び」であり、器物でもオブジェでもそれが一貫している。工芸作家を志す前にはダンサーを夢見た時期もあり、作品の要所要所に音楽的な気分を反映した色彩の冴えがある。

梅華皮(ルビ:かいらぎ)の志野茶碗から展開し、大型にした作品である。梅華皮は土と釉薬の収縮の違いによって生まれる。それに着目し、茶碗を制作していたが、それをより過剰に展開したのがこの作品である。梅華皮は、お茶の世界で珍重される井戸茶碗などの名物茶碗の見どころの一要素である。技法上の未熟から梅華皮を粗相の美として千利休などが愛でたのが始まりだが、それをユーモラスに漫画的に誇張してみせる巨大梅華皮による立体表現である。また土の自重による歪みを利用して、明るい色彩による変化を与え、リズム感のあるインスタレーションにまとめている。

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