photo: SAIKI Taku

石の精神

作家名(日)ヴラディミール・ズビニオヴスキー
作家名(英)Vladimir ZBYNOVSKY
制作年2001
素材・技法光学ガラス、石
サイズH27 × W45 × D24cm
著作権表示© Vladimir ZBYNOVSKY
収蔵年2002(作品購入年月日:2002/02/28)
受入方法購入
解説1964年ブラティスラヴァ(スロヴァキア)生まれ、シャンティイ(フランス)在住。

1993年にフランスへ移住して以来、主に石とガラスを融合させた彫刻作品を制作している。キャストの技法で作り出したガラスの塊の一部を切断、研磨したものと、集めてきた石とを組み合わせて、緊張感に満ちた作品を生み出してきた。どちらの素材ともその由来は地球の生成と関わりがあり、大地のエネルギーを内部に秘めているといえる。ズビニオヴスキーの制作行為は、人間の創造行為と自然の生成過程を相対させつつ、両者の内部に潜む性質を浮き上がらせようとするものである。

幅45センチメートルほどの石の上に光学ガラス(クリスタル・グラスよりもさらに透過性と純度が高いガラス)の塊が横たわる。重く光を跳ね返すような石の金属的な質感と、透明度の高い液体のようなガラスの質感。荒々しい石の表面と、ぬるりとした艶めきを放つガラスの表面。2つの異なる素材の対比は、きわめてダイナミックで緊張感を孕んでいる。ズビニオヴスキーは、ガラスの洗練された美やはかなさなどの特質を、石の荒々しさとの対比によって際立たせようとしているのではなく、両方の素材が内に秘めるエネルギーを浮かび上がらせ、生成の過程で存在していた流動性までも示唆しようとしている。

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