photo: SAIKI Taku
八俣のおろち
作家名(日) | 野口春美 |
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作家名(英) | NOGUCHI Harumi |
制作年 | 2012 |
素材・技法 | 陶土、木 |
サイズ | H54.9 × W73 × D29cm |
著作権表示 | © NOGUCHI Harumi |
収蔵年 | 2012(寄付採納年月日:2012/11/07) |
受入方法 | 寄贈 |
解説 | 1948年東京都(日本)生まれ、埼玉県在住。 1973年からイラストの仕事に携わるが、意を決し1994年から東松山に窯を持ち、陶による人形作品を制作する。「鬼」「荒ぶる神々」など、神話から着想を得たもので、神秘的だが、一方で童話に出てきそうなどこか人懐っこい雰囲気を持つ人形であり、どれも健康的な魅力を持っている。大きさは大きくても40 ~50センチメートルで、鉄分を多くした黒みがかった陶土に白泥を薄く掛けて焼き締めたものである。これらの人形はちょうど野口春美の手の中に収まるようなサイズのものであり、野口にとっては生きる証のような存在である。野口にとって制作とは生きることであり、両者は繋がっている。 《風》《猪》《八俣のおろち》は、野口の制作する神話的な人形たちの一角を占める題材である。大地、風、空、天体の運行など、自然の大きな力を背景としつつ、それらが擬人化した姿で登場する自然神たちである。プリミティブな自然信仰的構造を持つ神話的な物語展開を背景にして野口の人形たちは生まれてくる。明るく、明快な表現が、野口の作品の特徴である。湿ったところがない。灰白色の陶土も野口の表現を作り出すのに一役買っており、モノトーンで落ち着いた印象をもたらしている。1体でも展示されるが、群像的に複数体を同一空間に動きをつけながら設置し、物語的な世界を現出させる。 |