photo: SAIKI Taku
私自身の
作家名(日) | トニー・クラッグ |
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作家名(英) | Tony CRAGG |
制作年 | 2001 |
素材・技法 | ファイバーグラス、エポキシ樹脂 |
サイズ | H160 × W230 × D180cm |
著作権表示 | © Tony CRAGG |
収蔵年 | 2003(作品購入年月日:2003/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1949年リヴァプール(英国)生まれ、ヴッパータール(ドイツ)在住。 一貫して、物と物の関係性への洞察を反映させた作品を発表し続けている作家である。その対象は人工物から自然界の物まで幅広く、その形態や機能に目を向けることで深い繋がりを見つけ出す。部分が全体となり全体が部分となってしまうような生命体的感覚を物の配置によって表現したり、物に生じる機能としての使用価値や交換価値の増減にも着目している。近年は特に生命の有機的な形を解析して立体化した彫刻を多く発表している。 《私自身の》は、フリーハンドで描いた有機的な形体のドローイングを立体彫刻にした作品。視点の移動に従い異なる形が現れ、曲線の連続が運動をするかのように見える。幾何学的な形を組み合わせ、なおかつ樹脂という化学素材を扱いながら、肉体の一部や内臓器官を想像させる有機的な形体を生み出しているところが特徴で、この作家が物と物、物と人間の関係性を探ろうとしていることが窺える。《何としても》は、大理石という堅い素材が竜巻のように身をうねらせながら直立している作品。クラッグの作品には、サイコロやワイングラスなど定型の物を積み重ねていくことで、より大きな形体の構造を理解しようとするものと、有機的な形体への関心から作られた作品という2つの系列があるが、この作品は両系譜の性格を併せ持っている。水平方向の断面は大きさの異なる円で、それが左右にブレながら積み重ねられ、有機的形体に至っている。単純な形とその配置によって生まれる新たな形体に対するクラッグの深い洞察がしのばれる。 |