© Peter MCDONALD

金沢能楽美術館3階の窓(b)

作家名(日)ピーター・マクドナルド
作家名(英)Peter MCDONALD
制作年2011
素材・技法アクリルガッシュ / 紙
サイズH25.4 × W25.5cm
著作権表示© Peter MCDONALD
収蔵年2012
受入方法寄贈
解説1973年東京都(日本)生まれ、ロンドン(英国)在住。

2000年、英国のロイヤル・アカデミー・スクール大学院ディプロマ修了。大学で彫刻科に在籍中も絵画を制作していたが、絵を描くということをひとつのパフォーマンス行為と捉え、パフォーマーを描く中で、2002年に頭の大きな人物が登場する。以降、この人物像を造形言語の核として、コンサート、空港、パン屋、床屋、カフェという日常の一場面を描く。またマティス、フォンタナといった歴史上の画家の創作風景などを、簡略化された図像と豊かな色彩で表現する。日本人の母と英国人の父を持ち、独自のコミュニケーションとして絵画による表現活動を行う作家の豊かな色彩は、人間にとって「描くこと」が根源的な言語表現であることを我々に再認識させる。

作品群は、いずれも2011年に当館で開催された展覧会「ピーター・マクドナルド:訪問者」展の中で生まれた。《高砂スクロール》は、能の演目『高砂』を題材に制作された作品。既存の物語をモチーフにした作品制作は作家初の試みで、『高砂』の物語が独自の解釈と自身の造形言語によって語られており、典拠に依らない独立した物語が成立している。さらに、本作は同展覧会のプロジェクトのコアメンバーによりアニメーション化され、さらに身体表現者らによる絵、音楽、身体が融合するパフォーマンスへと発展していった。ドローイング21点は、展覧会の会期中に、自身が訪れ出会った場や人、経験や出来事を題材に、展覧会場内で制作するスタイルをとった。会期中に生まれた全103点のドローイングは「金沢ドローイング」と題され、展覧会場内外で多くの鑑賞者と出会い、対話を生み出した。これら21点は、本シリーズ全作品中より厳選されたものであり、それぞれの作品が個として独立していながらも、群としてのアイデンティティも兼ね備えている。

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