
photo: SAIKI Taku
マイセルフ・ポートレート 02
作家名(日) | サイトウ・マコト |
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作家名(英) | SAITO Makoto |
制作年 | 2006 |
素材・技法 | アクリル、オイルインク / カンヴァス |
サイズ | H196 × W155.8cm |
著作権表示 | © SAITO Makoto |
収蔵年 | 2011(寄付採納年月日:2011/09/01) |
受入方法 | 寄贈 |
解説 | 1952年福岡県(日本)生まれ。 1975年に日本デザインセンターに入社し、その後独立。多くの広告、ポスター、グラフィック・デザインを手がけ、国内外で評価を得た。デザイナー業の傍ら、 1977年から1989年にかけて絵画作品を発表。2003年に絵画制作を再開し、2008年には画家として初となる大規模個展「サイトウ・マコト展:SCENE[0]」を当館で開催。同展覧会では幼い頃から記憶に残る映画のシーンをもとに、人間のイメージを解体・再構築した重層的なデジタル・ペインティングを展示し、新たな絵画空間を展開した。 絵画において作家は、コンピュータを絵筆として制作するというオリジナルの手法を用い、イメージを大胆に解体する。幼い頃に父親に連れられ、断片的なイメージの連続として見てきた映画のシーンを自身の記憶から引き出し、そこに300以上ものレイヤーを重ね合わせ変換させる。イメージの粒子は分裂・溶解し、個を特定する輪郭や表情は失われ、人物像は得体の知れない流動体へと変容していく。映画監督フランソワ・トリュフォーの映画のワンシーンに、作家自身を重ねた作品《マイセルフ・ポートレート 01》では、 殺伐とした背景に佇む少年の顔からは表情が読み取れず、不穏さと孤独感が漂う。その像が《マイセルフ・ ポートレート02》において暗転した時、そのイメージは異質な多様体として浮かび上がる。人間の内奥の感情をえぐり出し、新たな人間像を露わにしようとする果敢な試みが窺える。1980年代から2000年代にかけて制作された一連のポスターは、時代の空気を色濃く反映すると同時に、「目と手」の力によってデザインを形作るというサイトウの信条に貫かれている。 |