photo: TOYONAGA Seiji
アマランス色、「輝き」シリーズより
作家名(日) | モニーク・フリードマン |
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作家名(英) | Monique FRYDMAN |
制作年 | 2004 |
素材・技法 | 顔料、パステル、結合剤 / リネン |
サイズ | H250 × W250cm |
著作権表示 | © Monique FRYDMAN |
収蔵年 | 2012(作品購入年月日:2012/03/16) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1943年ナージュ(フランス)生まれ、パリ、スナント在住。 現在、フランスを代表する女性作家のひとりであるモニーク・フリードマンは、1970年代終わりから作家活動を開始した。絵画制作を中心に据え、色と光の表現をカンヴァス、顔料、パステル、紐、紙などの素材を用いて追求する。自身の身体と素材との親密で双方向的なダイアローグの中で浮かび上がっていく色やイメージには、時には作家自身も気がつかなかった自らのルーツや過去の記憶の断片が表出し、我々ひとりひとりの記憶や心をも揺さぶる。近年では、ガラスやプレキシグラス、紙や布などを用いたサイトスペシフィックなインスタレーションも手掛けている。 「輝き」シリーズからの絵画3点には、各作品を構成する色彩名「金色」「灰色」「アマランス色」がそれぞれタイトルとして付けられた。淡い色を帯びた霞が輝きながらたなびく様を思わせる画面には、無数の細かな線状のパターンが縦横無尽に広がっている。偶然に任せて紐や小枝などを配置した上に湿らせたカンヴァスを被せ、パステルの塊で擦ることで浮かび上がらせた痕跡である。布の下にあり、その存在の物質性を感じながらも作家には不可視なものを、フリードマンの手が掬い取る。自らのイメージを実現するために素材を支配的にコントロールするのではなく、素材の声を聞き、寄り添い確かめながら、身体との深い関わりの中で、人間の根源的な意識や感情に繋がる回路を導き出した。マティスやボナールから抽象表現主義、カラー・フィールド・ペインティングまで、近代絵画の系譜を受容しつつ、女性としてのアイデンティティや身体、個人の記憶と向き合い、絵画の根源的な力や深い精神性を感じさせる表現に昇華させた。 |