photo: SAIKI Taku

靴とグラスのある自画像

作家名(日)フランチェスコ・クレメンテ
作家名(英)Francesco CLEMENTE
制作年1979
素材・技法墨、ガッシュ / 紙(リネン裏打ち)
サイズH202 × W497cm
著作権表示© Francesco CLEMENTE
収蔵年2001
受入方法購入
解説1952年ナポリ(イタリア)生まれ、ローマ(イタリア)、チェンナイ(インド)、ニューヨーク(米国)在住。

幼い頃は詩を多く創作し、絵画を独学で学ぶ。ローマに移り、1972年にアリギエロ・ボエッティと出会い、大きな影響を受ける。また、インド、アフガニスタンを旅し、その文化や思想がその後の制作活動に重要となる。1980年代には、イタリアの新表現主義の動向「トランスアヴァングァルディア」の作家のひとりとみなされる。異なる文化圏に滞在しながら細密画、モザイク画、フレスコ画など多岐にわたる技法で制作する一方、アレン・ギンズバーグ、アンディ・ウォーホル、ジャン・ミッシェル=バスキアと共同制作も行う。自己を見つめ、個人的な体験として、記憶、文化、時代、性差を自由に行き交うような断片化したイメージが特徴的である。

本作品は、1979年に、写真家が用いるバックスクリーン用のロール紙を麻布へと裏打した支持体に、墨とグワッシュを用いて描いた約18点の自画像シリーズのうちの1点である。長さ約5メートルの広大な画面の左に自身の裸体とグラスひとつ、そして右端に1足の靴が描かれている。描かれた身体は、デフォルメされ、断片化されている。後に、クレメンテは制作姿勢について「内部と外部に同じ重みを持たせること、身体を内と外を分かつ境界とみなすこと」と述べている。このことは、自身が主題でありながらグラスや靴と同次元に置くことにより、自己の内面世界と外部環境を同一線上に表した本作にも明示されている。自己は確立したものではなく、絶えず生まれ変わり、常に新鮮で未知なるものであるとして、自己と身の回りの世界との関係を自画像に映し出そうと試みている。

PageTop