photo: SAIKI Taku

2000年1月18日

作家名(日)ゲルハルト・リヒター
作家名(英)Gerhard RICHTER
制作年2000
素材・技法油彩/写真
サイズH12×W12cm
著作権表示© Gerhard RICHTER
収蔵年2001
受入方法購入
解説1932年ドレスデン(ドイツ)生まれ、ケルン在住。

東ドイツ政府の下、美術教育を受けたが、西ドイツ旅行中に出会った抽象表現主義に強い影響を受け、ベルリンの壁のできる半年前にデュッセルドルフへ移住。1962年に新聞の写真をもとにした《机》を発表。以後、あらゆる存在を反映する基盤として「シャイン」(光、見せかけ、仮象)をテーマとし、高度な絵画技術をもって多様なスタイルを同時期に並行させ、可視性と不可視性、写真と絵画、現実と虚構との境界を行き交いながら、「見ること」を探求し続けている。

ゲルハルト・リヒターの画歴は、新聞や雑誌などのモノクロ写真のイメージを油彩で精密に模写しつつぼかしを施し対象を普遍化させる「フォト・ペインティング」シリーズに始まり、色彩が幾何学的に配列された「カラー・チャート」、その対極の「グレイ・ペインティング」というシリーズが続く。さらに、即興的かつ無意識的に組み合わせた色彩を多層化させる「アブストラクト・ペインティング」、絵具の痕跡と写真という異なる表現形式の層を重ねて「境界」を想起させる「オイル・オン・フォト」のシリーズが展開する。《ベティ》《ムスタング》は、「フォト・ペインティング」の油彩画をさらにプリントにしたエディション作品である。既存イメージの転換・再帰を考察するリヒターは、《ムスタング》で反射率の高いアンテリオ・ガラス板を使用し、イメージの多層性をより強調する。「ミラー・ペインティング」シリーズの代表作《8枚のグレイ》では、グレイの色が施された8枚の大ガラスが鑑賞者を囲み、「見る」という行為を促す。作家が「見えるものでも見えないものでもない」と呼ぶグレイの特性が支配する中、映り込んだ像が無限に反復する本作品は、あらゆる事象を無の中に「映し出す」装置となる。

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