photographs: “Under Construction,” SCCA, Sarajevo, Bosnia and Herzegovina (Curator Dunja Blazevic), 1999. photo: Havis Menija, Dejam Vekic

働く女性たちー建設中

作家名(日)マヤ・バイェヴィッチ
作家名(英)Maja BAJEVIĆ
制作年1999
素材・技法DV
サイズ11分48秒
著作権表示© Maja BAJEVIĆ
収蔵年2001
受入方法購入
解説1967年サラエボ(旧ユーゴスラヴィア、現ボスニア・ヘルツェゴビナ)生まれ、パリ(フランス)、ベルリン(ドイツ)在住。

1991年ボスニア・ヘルツェゴビナ作家協会賞受賞後、パリ国立美術学校にて学ぶ間、母国にて紛争が勃発したため、97年までパリに残る。その後、数年母国に戻るものの、パリ、ベルリンなどを制作の拠点とする。パフォーマンスや映像を表現の核とするマヤ・バイェヴィッチの作品には自身の取り巻く環境、経験が複雑に織り交ぜられ、また歴史や社会情勢が強く反映されている。特に移民の問題や、社会の中での女性の役割、周縁に置かれた人や事柄に焦点を当て作品に取り入れながら、現代社会の諸問題を多角的、重層的に表現している。

バイェヴィッチの初期の活動の代表作であり、《働く女性たち》というタイトルの下に制作された3作品のうちの最初の作品。紛争で崩れた建築の修繕作業のため、足場を組まれネットで覆われたボスニア・ヘルツェゴビナ国立ギャラリー。バイェヴィッチは東ボスニアからの難民である5人の女性とともにそのネットの上に刺繍を施すパフォーマンスを5日間行った。この様子を捉えた本映像には、男たちが工事作業を終える日没頃から女たちが交代するように現れ、照明の下で黙々と刺繍をする様子が映し出される。美術館で保護される国家文化遺産としての美術作品と家庭的で土地特有の手工芸の対置、昼間に行う男性の建築仕事と暗闇の中で静かに行う女性の刺繍作業、公的領域と私的領域が複雑に織り交ぜられる中、社会情勢、ジェンダーの問題が多角的に提起されている。

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