courtesy: 303 Gallery, New York

アイ・アム・イン・ユー

作家名(日)ダグ・エイケン
作家名(英)Doug AITKEN
制作年2000
素材・技法5チャンネルの映像インスタレーション
サイズ約H400 × W860 × D1600cm(内部空間)、 11分(ループ)
著作権表示© Doug AITKEN
収蔵年2001(作品購入年月日:2001/3/31)
受入方法購入
解説1968年レドンドビーチ(米国)生まれ、ロサンゼルス在住。

写真や映像インスタレーションに取り組む以前から、イギー・ポップやファットボーイ・スリムのミュージック・ヴィデオを手掛けるなど映像クリエーターとして活動。夜の街を歩く青年の体にネオンやコインランドリー等のあらゆる電力が伝わり共振する様子を8画面で展開した《エレクトリック・アース》で1999年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際賞受賞。2007年にはニューヨーク近代美術館の外壁に5人の1日の様子を8画面で追った《sleepwalkers》(夢遊病者たち)を発表。ダグ・エイケンは、荒野、都市、人間の身振りの断片と音を巧みに編集し、加速し分裂する現代人の心理を捉えようとする。

5つのスクリーンによる映像インスタレーション作品。アメリカの郊外の日常的な風景の中で、人間(少女、手)、自然(空、水)、人工物(トレーラー、空港、テレビゲーム機)、幾何学的な図形(あやとり、定規が作る形)が次々と映し出される。これらのイメージが、「I like to see and look(見たり見かけたりするのが好き)」「You can’t stop(あなたはとまることができない)」とささやくような少女の声や手拍子のリズムに合わせて軽快に重なり、見る者は幻覚のような映像の流れの中に引き込まれる。物語に明確な輪郭がないまま断片化した映像が反復的に繰り返されるうちに、その捉えようのない流動状態の力と速度が身体的に経験される。鑑賞者は複数のスクリーンを見るために動き回ることとなり、映像と音の渦中に空虚に漂う状態を身体的に感じることになる。

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