courtesy: Tomio Koyama Gallery

コスモス

作家名(日)村上隆
作家名(英)MURAKAMI Takashi
制作年1998
素材・技法アクリル / カンヴァス、板
サイズH300 × W450cm (3枚パネル)
著作権表示© 1998 Takashi Murakami / Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
収蔵年2001(作品購入年月日:2001/03/30)
受入方法購入
解説1962年東京都(日本)生まれ、東京都、ニューヨーク(米国)在住。

東京藝術大学で日本画を学び、1993年同大学大学院美術研究科博士後期課程修了。1989年の初個展で日本画とプラモデルを用いた作品を発表。以後、アニメ、マンガ、大衆文化、オタクなど日本文化の独自性を前面に押し出す手法で、欧米主導の美術文脈や既成概念の再解釈に挑戦してきた。その活動は、ファッション産業とのコラボレーション、展覧会企画、アートフェア「GEISAI」の主宰など多岐にわたる。2012年にカタールで大規模個展を開催。全長100メートルの《五百羅漢図》では日本社会の歪みと絶望の中を前進する態度を示す。2013年、映画『めめめのくらげ』を完成、全国にて劇場公開。

《シーブリーズ》は車輪の付いた巨大長方体。両側のシャッターが開き、内部の水銀灯16灯から総電気量16,000ワット分の熱と光が放たれる本作について、村上は、天照大神が隠れた天の岩戸が開いた時の輝きに言及する。原子力爆弾投下という史実とその記憶の在り方を問いながら、瞬時に見る者の目を幻惑し、突き放すエネルギーに満ちた作品だ。また、2012年の「ソンエリュミエール、そして叡智」展では、《シーブリーズ》を構成要素のひとつとし、包囲する空間の壁一帯を壁画に仕立てた《シーブリーズ アナザーディメンション 2012版》を発表。壁画は蛍光ピンクと黄色、黒を基調とし、《シーブリーズ》の光の対面に2列のスリットを配し、キノコ雲やドクロなど核爆発、殺戮、死を象徴する図柄が過剰な軽さと華麗さをもって全面を覆う。《コスモス》は、古典画題の花とアニメやマンガのキャラクター的要素を連結させた絵画。作品名は、万物はスパイラル構造から成るという宇宙の基本原理に由来する。徹底した正面性と平面性から導かれる無重力感、無個性な笑みを浮かべた花々の浮遊感は、現代人の心理を映し出す。

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