© Shirin NESHAT

無題(歓喜シリーズ)

作家名(日)シリン・ネシャット
作家名(英)Shirin NESHAT
制作年1999
素材・技法ゼラチン・シルバープリント
サイズH33×W57.4cm
著作権表示© Shirin NESHAT
収蔵年2000
受入方法購入
解説1957年ガズヴィーン(イラン)生まれ、ニューヨーク(米国)在住。

1974年に渡米、大学で美術を学ぶ。卒業後、ニューヨークに移り、拠点とする。1990年、渡米後初めてイランに戻り、1979年の革命後の祖国の状況に触発され、特に女性を取り巻く状況を主題とする作品制作を始める。1993年、殉教を題材に、チャドルに身を包まれた女性を撮り、目や手のひらなど体の露出部分にペルシャ語を書き加えた写真シリーズ「アラーの女たち」を発表。1996年から映像を用い、3部作といわれる音と映像によるインスタレーション作品《荒れ狂う》(1998年)、《歓喜》(1999年)、《熱情》(2000年)を発表。2009年《女たち》でヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞。

男女を対峙させ、2つの物語を対面に映す作品《歓喜》(1999年)の制作時、映像作品とは別に独立して撮影された一連の写真作品16点中6点を当館は所蔵している。これらは、イラン人作家モニル・ラヴァニプールによって書かれた『アール・イ・ガルク』(溺死を恐れぬ果敢な人)という小さな村での黙示録的な物語から想を得て制作された。白シャツに黒ズボンの男性集団は、要塞の中に群れ、円陣を組んで座る。全身黒いチャドルに覆われた女性集団は、広大な砂漠のどこからともなく集まり、跪き、頭を地に深く垂れて祈りの姿勢をとる。男性は要塞に留まり、女性は、砂漠から海辺へと向かい旅立つために船を押し出す。イスラム社会における男女の問題にとどまらず、秩序と無秩序、保守と変革、文化と自然の対比が、白黒の明快なコントラストと構図の中、象徴的に映し出されている。広大な自然の中、未知なる自由へと果敢に挑む女性の姿が黒色の効果と相まって一層際立つ。

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