photo: KIOKU Keizo
Vessel ”CE”
作家名(日) | ロン・ケント |
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作家名(英) | Ron KENT |
制作年 | 2002 |
素材・技法 | ノーフォーク松、銅 |
サイズ | H24 × φ37cm |
著作権表示 | © Ron KENT |
収蔵年 | 2010(寄附採納年月日:2010/03/18) |
受入方法 | 寄贈 |
解説 | 1931年シカゴ(米国)生まれ、2018年ハワイにて逝去。 初期には家具や彫刻を手掛ける。次第に、ハワイ周辺に植林されたノーフォーク松を素材に、独学で習得した木材旋盤加工の技術によって、木地の表情を大胆に生かしたシンプルなフォルムの器を主とするスタイルを確立。器壁の厚さを均一に見せつつ、取り込む光の量を自在にコントロールしながら立ち上げる形と、独自の仕上げ行程によって表面に浮かび上がる艶やかで神秘的な表情が特徴的である。近年は、プライウッドによる彫刻作品も試みている。 《Vessel “CE”》はロン・ケントが近年展開している「ポスト・ニュークリア」シリーズに属する作品である。薄く挽かれたノーフォーク松材の器壁に残された幾本もの切り込みを銅線が縫い繋ぎとめている。作家は、同シリーズについて、核戦争後の世界を描いた映画に触発され、全てが破壊された後の人間社会に残された創造手段を問うメッセージを込めた、と語っている。きわめて原初的なフォルムの器体に何本も走る亀裂と、傷跡を縫合するかのようにクロスする銅線は、社会、環境、身体の亀裂/断絶とそれを修復するもののメタファーとして理解することもできる。 |