photo: SAIKI Taku
淡い緑の言葉
作家名(日) | 畠山耕治 |
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作家名(英) | HATAKEYAMA Koji |
制作年 | 1999 |
素材・技法 | 青銅 |
サイズ | H27 × W37 × D14cm |
著作権表示 | © HATAKEYAMA Koji |
収蔵年 | 2001(作品購入年月日:2001/03/30) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1956年富山県(日本)生まれ、同地在住。 金沢美術工芸大学で金属造形を学んだ畠山は、鋳型に金属を流し込むことによって成形する技法、鋳金によって制作することを選択する。装飾的要素を最小限に切り詰めたミニマリズムの影響を受け、1990年代から、直方体の器体に着彩した端正で禁欲的な作品を発表してきた。近年は、型に用いた杉のへぎ板の縦筋をそのまま鋳肌に残した作品や、多面体の箱に抽象的な文様を施した作品など、その表現はさらに拡張・深化を遂げている。 鋳造作品《A small, little thing(深い時間)》や《淡い緑の言葉》では、蓋面も器体と同じ幅で断ち切られたミニマルなフォルムの中、銅の量感と表面の深い色合いが、作品の存在感を高めている。鋳金という、複雑な形を作ることができる技法を用いながら、あえてシンプルに徹し、素材自体が持つ表情を最大限引き出した。余分なものを削ぎ落としてできた形からは、最後に残ったものの存在感が力強く立ち現れている。一方、《赤と黒》の暗い背景に浮かび上がる抽象的なパターンからは、日本の伝統的文様の参照が窺える。しかし、それは伝統の焼き直しではなく、金属の新たな表情を引き出した結果生まれたイメージである。本作の制作と期を同じくして、八角形を含む多角形の形体が増えてきたことは新しい方向性として注目される。《やわらかな流れ》は従来の作品の滑らかな表面仕上げとは異なり、原型に用いた杉材の縦筋をそのまま表面に残すという点で、畠山の制作のもうひとつの転換を象徴的に示す作品である。 |