photo: FUKUNAGA Kazuo

プラス・マイナス・ピープル

作家名(日)木村太陽
作家名(英)KIMURA Taiyo
制作年1997-2007
素材・技法磁石、紙粘土
サイズサイズ可変 (オブジェ:H6 × W2 × D2cm、箱:H33 × W30 × D30cm)
著作権表示© KIMURA Taiyo
収蔵年2011(作品購入年月日:2011/03/15)
受入方法購入
解説1970年神奈川県(日本)生まれ、同地在住。

美術専門学校にて油絵を学ぶが、次第にインスタレーションや立体へと移行し、1990年代中頃より作品を発表し始める。1999年から2度にわたりドイツに滞在し制作。在学中より、ドローイング帳にアイディアや夢日記を描きため、あるいはヴィデオで撮りため作品化していく。日用品等の身近な素材やシチュエーションを用いて表現する木村の作品には、独特なユーモアと親しみやすさ、そして気味悪さが混在し、しばしば生理的な不快感を伴う。

木村がカレーで洗顔する姿などを映した《ヴィデオ・アズ・ドローイング》のモニター台は、壁からひとりが立てる程度に位置し、鑑賞者は映像を至近距離で見るよう強いられる。《Typical Japanese English》では床置きの洗濯かごの衣服から覗くことで映像を鑑賞する。《We know you know we know your pleasure you never know》では、鑑賞者は、灰色に彩色された布地で作られた、頭部がキャスターに置き換えられた600体の鳩のオブジェの上を、立方体を滑らせるよう促される。自らの動作が作用する直接的行為は、個と群、支配関係を想起させる。その風景は周囲の鑑賞者の好奇心を誘う。これらに共通する不快さ、とりとめのなさ、笑いが直に生理的に働く感覚は、《Friction / トイレはどこですか》では、隣接する時計の針がぶつかり、時が進むことを阻み合う針の振動と機械音で、《Life’s An Ocean / Dead Finks Don’t Talk》では、2体のマネキンが、ファスナーが取り付けられた灰色の細い布で全体を巻かれ、不定形に丸みを帯び、開かれた隙間から体の一部が垣間見える様相で示される。さらに、女性誌を用い、その中の複数の目を切り出し抽出した《Feel Your Gravity》では、制度と監視の下に生きる人間の群集心理を浮かび上がらせる。

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