photo: SAIKI Taku

蒔絵箱「仲秋」

作家名(日)中野孝一
作家名(英)NAKANO Koichi
制作年1999
素材・技法漆、木、金、卵殻、プラチナ
サイズH15.7 × W27.5 × D16.8cm
著作権表示© NAKANO Koichi
収蔵年2001(作品購入年月日:2001/03/30)
受入方法購入
解説1947年石川県(日本)生まれ、同地在住。

1967年に東京デザイン研究所商業デザイン科卒業後、蒔絵師である叔父の仕事を手伝ったことから蒔絵の世界に入る。1969年より大場松魚に師事。下地から手掛け、飼い馴らしたリスやウサギの姿を図案に起こし、日本独特の自然を小動物と草木を題材に表現する。現代的で斬新な意匠感覚の蒔絵を施し、漆芸の新しい世界を築こうとしている。

落ち着いた色調の白漆地に秋草と跳ねまわるウサギの姿を描き、立体を生かした躍動的な図案である。緻密な写生をもとにしている《蒔絵箱「仲秋」》では、葉脈や葉の虫食い穴、またウサギの毛艶にまで気を配り、それぞれが力強い筆致を示している。蒔絵粉に色の冴えたプラチナ粉を選び、蓋表には独特の色彩感覚を窺わせる。身の側面には漆黒の世界が広がり、金蒔絵で月夜に遊ぶウサギが描かれ、写実と幻想を混在させている。動と静、明と暗を対比させた構成で独創的な蒔絵の世界を生み出している。

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