黒のフリージング 01
作家名(日) | アイ・チョー・クリスティン |
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作家名(英) | Ay Tjoe Christine |
制作年 | 2017-18 |
素材・技法 | 油彩 / カンヴァス |
サイズ | H400 × W230cm(H200 × W230cm × 2点) |
著作権表示 | © Ay Tjoe Christine |
収蔵年 | 2019(寄付採納年月日:2019/02/07) |
受入方法 | 寄贈 |
解説 | 1973年バンドン(インドネシア)生まれ、同地在住。 アイ・チョー・クリスティンは、バンドゥン工科大学美術学部を卒業後、テキスタイルやグラフィックのデザイン分野で経験を積み、2000年頃から作家として活動を開始した。自身を強く規定するキリスト教的主題を礎に、制作を通じて人間の存在意義や普遍性を探求している。飛び散るようなオイルバーの色彩が描き出す抽象的なイメージが、カンヴァスの余白と調和する絵画で知られる一方、ドライポイント、彫刻やインスタレーションなど、広範なメディアで表現の幅を広げている。 異なる地色をもつ2面を上下に重ねて構成された本作品《黒のフリージング 01》は、当館での個展「霊性と寓意」(2018年)の出品作品のうちの1点で、同名シリーズの起点となった絵画である。黒色で象徴的に表現した闇を追求することにより、その対極にある世界にいるべき善き人間像を探求している。特徴的な画面いっぱいに溢れるオイルバーの豊かな色彩から一転、彼女のキャリアのスタートでもあるドライポイントの線的な表現を、オイルバーの黒い線で大胆に試みている。本作品以後、油彩作品制作の傍ら、再び版画制作にも回帰している彼女にとって、新たな線的表現の発展へと架橋する試金石となった作品のひとつである。今日発展著しいインドネシアを代表する作家として名を連ねながらも、一過性の社会情勢に動じることなく、油彩という伝統的な技法を用い、普遍的な絵画の可能性を求め続けている。 |