発酵作用

作家名(日)SUPERFLEX
作家名(英)SUPERFLEX
制作年2016
素材・技法ミクスト・メディア
サイズサイズ可変
著作権表示© SUPERFLEX
収蔵年2018
解説ヤコブ・フィンガー:1968年ロスキレ(デンマーク)生まれ、コペンハーゲン在住。
ビョルンスティエルネ・クリスチャンセン:1969年コペンハーゲン生まれ、同地在住。
ラスムス・ニールセン:1969年イェリング(デンマーク)生まれ、コペンハーゲン在住。

1993年に結成したアーティスト・ユニット。コペンハーゲンを中心に世界各地でプロジェクトを展開している。グラフィック、映像、建築など、様々なメディアを駆使し、プロジェクトに多角的な視点を織り込み、コミュニティに内在する課題や関係性に、そこで生活する人々自身が気づくことのできるプラットホームの創出を得意とする。彼らは、作品を「ツール(道具/手段)」と考え、展覧会やプロジェクトを今日的課題について人々が自ら考えることを促すための思考/試行的空間とみなしている。

《発酵作用》は、2016年度に当館で開催したプロジェクト「SUPERFLEX One Year Project – THE LIQUIDSTATE / 液相」の作品のひとつである。来場者の吐く息や湿気などを除湿器で集め、除湿後の水、茶葉、紅茶キノコの菌(スコビー)を使って発酵飲料(コンブチャ:kombucha / 紅茶キノコ)を生成し保管する。その後、美術館で使っているコピー用紙をこの液体で染め、館内で乾燥させる。Liquid(液体)は再び美術館内に気化して戻り、コンブチャ・ペーパーは日常的に使用されることで、新しい持ち主の手元へ届く。水分は還元され、紙は使用され、という循環の過程を導く。一連の作業を行うのはアーティストではなく地域住民や美術館を訪れる来館者であり、このツールを使って、参加者による多様な活動が奨励されている。本作品は、金沢21世紀美術館が実践している、地域とどのような関係を構築するかというスタディを形にしたもので、ツールを介して、コミュニティを醸成しようという試みをプロジェクト化したものである。

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