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人々の国際連合 なぜ人口増加について話すことがそれほど難しいのか?

作家名(日)ペドロ・レイエス
作家名(英)Pedro REYES
制作年2013
素材・技法アクリル / タイベックシート
サイズH128 × W127cm
著作権表示© Pedro REYES
収蔵年2017(寄付採納年月日:2017/02/03)
受入方法寄贈
解説1972年メキシコシティ(メキシコ)生まれ。

ペドロ・レイエスは1990年代から芸術活動を通して社会変革を実現するためのヒントを提案してきた作家である。彫刻や絵画のみならず、映像、建築、デザインなど多様なメディアを用いて、具体的な社会問題に対する批評性のある作品を発表してきた。暴力、気候変動、人口問題といった世界の其処此処で止まない問題については、みんなで考え解決に向けて議論や交渉をする必要があるとして、そのための場を設け、ユーモアを交えた方法を提案するなど、純然たる鑑賞の対象としての作品というよりは、何らかの双方向性への期待に重きが置かれている。

2013年に開始した「人々の国際連合」のプロジェクトで、レイエスは「平和」「開かれた対話」「暴力の終焉」 についての作品を次々と生み出し、私たちが暮らす世界を阻む深刻な問題にアートを通して向き合い続けている。本プロジェクトは主にはワークショップの形式をとり、市民レベルでの議論によって問題への解決の糸口を探るものであるが、その過程で作られた彫刻的な作品も重要な役割を果たす。《人々の国際連合武装解除時計》は、メキシコの銃社会を改善するために不法所持者から回収された銃の砲身を抜き、文字通りスクラップになるものを再利用して楽器にした作品である。作品に組み込まれたデジタル時計は、世界が銃から解放される瞬間を目指して時を刻んでいる。 15分ごとにバチが自動で動き、パーカッションのように金属音が鳴り響く。「開かれた対話」を体現する《人々の国際連合ライブラリー》は、ジオデシック・ ドーム型の「図書館」としての機能を備えた彫刻作品である。その書棚には「人々の国際連合」のプロジェクトに参加した人々が持ち寄った、世界50カ国以上で出版された各国を表す特徴的な本が並べられている。全て「人々の国際連合」の色に統一したカバーをかけて、どの国も同等に尊重され世界を成しているというメッセージを発している。

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