photo: KIOKU Keizo
ひばり
作家名(日) | 沖潤子 |
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作家名(英) | OKI Junko |
制作年 | 2015 |
素材・技法 | 布(ヴィクトリアンジャケット)、木綿糸、絹糸、木箱 |
サイズ | H70 × W29.5 × D9.5cm |
著作権表示 | © OKI Junko |
収蔵年 | 2017(作品購入年月日:2017/03/31) |
解説 | 1963年埼玉県(日本)生まれ、神奈川県在住 沖潤子は、39歳のとき娘から贈られた手作りの手提げをきっかけに刺繍を始めた。母親の遺品の布を大胆に裁断し刺繍されたその手提げの自由な表現に触発され、自分を解放するかのように制作に没頭するようになる。制作を始めた当初は「Woky Shoten」の名で手刺繍によるバッグやネクタイを手掛けていたが、46歳より自身の表現としての作品制作に集中するようになる。2014年作品集『PUNK』を刊行。近年は、作品世界を数センチに凝縮させた「gris gris」シリーズにも力を入れつつ、新たな作品展開に挑み続けている。 沖潤子は古布等に細いミシン糸を用い、下絵も描かず無心に縫い進めて制作する。その糸跡は生き物のように表面を埋めつくし、作品は否応なく凹凸に波打つ。作家の内部に宿る日々の様々な感情の起伏が、縫う行為へと変換され、その高密度の糸の軌跡は見る者を圧倒する。《つばめ》と《ひばり》は1着のヴィクトリアンジャケットを解体して作られた対作品である。身体を失った両袖に無数の糸跡が刻まれ、その様子はうごめく鳥の羽根のようでもあり、死を固着させているかのようでもある。誰かの生身を経由した衣服という身体性のみならず、作品を自分の分身と呼び、身体的に瞬時に把握できる大きさにこだわってきた沖の世界観が体現された作品である。《midnight》は、2016年に開催した当館コレクション展「Nous ぬう」のために新規制作された。縫う密度をさらに凝縮させると同時に、布片を繋いでイメージを拡張していく手法は沖の新たな作品展開を示唆している。 |