インク・メディア
作家名(日) | チェン・シャオション |
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作家名(英) | CHEN Shaoxiong |
制作年 | 2013 |
素材・技法 | アニメーション映像、墨 / わら紙 |
サイズ | 映像:3分45秒、ドローイング:各46 × 70cm (10点組) |
著作権表示 | © Luo Qingmin, Estate of Chen Shaoxiong |
収蔵年 | 2017(作品購入年月日:2017/03/31) |
解説 | 1962年広東省汕頭(中国)生まれ、2016年北京にて逝去。 チェン・シャオションは1984年に広州芸術大学を卒業後、文化大革命以後の中国で文化受容の態度が大きく変化した時期に作家活動を開始した。よって、政治、思想、文化に関わる歴史的事件は、その後のチェンの作品の主題にも色濃く現れている。1990年代以降の中国現代美術のシーンの中で、特にコンセプチュアル・アートを重視したグループ「大尾象工作組」に参加。概念と形式の問題を扱い、芸術で何をすべきかについて追求する態度を保持した。また、社会性を帯びた作品こそが共同体から個への重視を印象づけるものとして、その後の世代にも大きな影響を与えている。 《インク・メディア》は、1909年から2009年の間に起きた歴史的な出来事を伝える画像をインターネット上から選び、150枚以上の墨画に描き起こした動画作品とその原画10枚から成る。個人の情報の取り扱いに国家が極度に介入と制限を行っている中国特有の事情を鑑みるに、本作は複製によって際限なく広がるイメージの威力を利用して、世界の出来事をどのように捉え批評していくかということへの挑戦といえる。伝統的な墨画の手法を現代的なメディアに転換し再編集する手法は、地域で醸成された歴史と文化を喪失することなく、国家の枠組みを乗り越えて国際的な対話を促そうとする芸術の動向を表すものである。原画の筆致は、単純に画像を写し取っただけでなく、まるで動画の中の人々の叫びや行動に息吹を吹き込むかのように力強い。天井から吊るされたヘッドフォンを装着して動画の音を個別に聞く人々は、あたかも抵抗のために広場に集まった群衆のように見える。 |