photo: KIOKU Keizo

タイルの部屋

作家名(日)樫木知子
作家名(英)KASHIKI Tomoko
制作年2010
素材・技法アクリル、パステル、鉛筆/紙、麻布、木製パネル
サイズH227.3×W162cm
著作権表示© Tomoko Kashiki, courtesy of Ota Fine Arts
収蔵年2017
解説1982年京都府(日本)生まれ、同地在住。

2011年、京都市立芸術大学大学院で博士号を取得。美人画に関する研究を通して自身の芸術を見つめ直す契機となる。以後、絵具の塗布とその表面の研磨を繰り返すことによって、平滑なテクスチャーと流麗な描線を特色とする人物像を描き続け、自身の芸術のさらなる進化を追究している。2009年、VOCA奨励賞受賞。2012には京都市芸術新人賞を受賞するなど国内で高く評価を受ける一方、近年はアジアや欧米での個展の開催やグループ展に参加するなど、活躍の場を拡げている。

樫木は繊細かつ流麗な描線と透明感のある穏やかな色彩によって、白昼夢のような幻想的な世界を画面に紡ぎ出す。人物をはじめ、多様なモチーフを多層的に描き重ねる樫木独自の描法は、臨場感のある不可思議な絵画空間を現出させ、その異次元世界に見る者を誘い込む。京都市立芸術大学大学院在籍中に制作した《タイルの部屋》は、樫木の現在のスタイルを確立させた記念碑的な作品である。主に歪んだ面や屈曲した線を要素として多視点的に構築されたタイルの部屋には、屹立する木々の枝にまといつくひとりの人物が描かれている。その人物の四肢や衣服は室内空間に緩やかに漂う枝を経由して、多次元的空間の中に融け込んでゆこうとしている。作家としてスタートを切ろうとした当時の樫木の期待と不安が、彼女の豊かな感性と相まって、この絶妙に均衡のとれた構図を生み出したといえる。

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