photo: KIOKU Keizo

第3章 ようこそ西京に — 西京オリンピック

作家名(日)西京人
作家名(英)Xijing Men
制作年2008
素材・技法ヴィデオ、ミクスト・メディア
サイズ映像:35 分、他可変
著作権表示© Xijing Men
収蔵年2017(作品購入年月日:2017/03/31)
受入方法購入
解説チェン・シャオション:1962年広東省汕頭(中国)生まれ、2016年北京にて逝去。
ギムホンソック:1964年ソウル(韓国)生まれ、同地在住。
小沢剛:1965年東京都(日本)生まれ、埼玉県在住。

「西京人」は、2007年に東アジアを拠点とするチェン・シャオション、ギムホンソック、小沢剛の3人により結成されたアーティスト・ユニット。「西京国」は1990年以降の多文化共生社会の時代に、芸術を愛する人が住む仮想の国家として構想され、そこを舞台に第1章から第5章までの物語が作られた。身近な素材でアイディアを形にしていくユーモアと軽快さを特徴とし、おかしみのうちに映し出される西京国は、現実からかけ離れた架空のユートピアというだけではなく、私たちが生きる時代を照射した世界として描かれる。

《第3章 ようこそ西京に― 西京オリンピック》は中国初のオリンピックが北京で開催された2008年に、競技場近くで、勝敗のないオリジナルゲームによる五輪に挑んだ記録である。筆で互いをくすぐるフェンシング、ボクシング・グローブでのマッサージ拳闘、くずかごのバスケット・ゴールなど、用途を転換した日用品を使って行われた競技の動画と実際に使われた競技用具で構成される。オリンピックが世界平和の実現、人権の尊重、差別の撲滅を推進する理念とは裏腹に、実態は国威発揚という政治目的と継続的運営のために商業主義的なスポーツの祭典となっていることを、西京オリンピックは軽やかに揶揄している。国籍の異なる3人のアーティストがオリンピックを題材に、共生のひとつの理想を見せて現実への提言に換えてみせる西京人の視点は、現代美術における思考のアプローチとしてしなやかに展開される。

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