第八章: まだ見ぬ欲望に回帰し、より遠くのものは旅をし、より近いものは(疑惑へと)戻り行く、そして、もう一度、彼は木の下で目覚める

作家名(日)リクリット・ティラヴァニ
作家名(英)Rirkrit TIRAVANIJA
制作年2013
素材・技法スクリーンプリント、金属箔、キャストコート紙、STPI製マニラ麻紙、ステンレス製台、3Dプリントオブジェクト
サイズカンヴァス:H269.5×W269.5×D2.5cm 展示台:H18×W100.5×D18cm オブジェクト:H8.5×W4.5×D8.5cm
著作権表示© Rirkrit TIRAVANIJA
収蔵年2016
解説1961年ブエノスアイレス(アルゼンチン)生まれ、チェンマイ(タイ)、ニューヨーク(米国)、ベルリン(ドイツ)在住。

1990年に画廊でタイ風焼きそばを振る舞った《パッタイ》など、観客とのコミュニケーションを通して「関係性」を可視化する「リレーショナル・アート」を代表する作家のひとりである。日常性をアートの場に持ち込むことで人々の価値観に揺らぎを与え、歴史、システム、制度等、既存の枠組みへの疑義をユニークな方法で試みている。

《第八章:まだ見ぬ欲望に回帰し、より遠くのものは旅をし、より近いものは(疑惑へと)戻り行く、そして、もう一度、彼は木の下で目覚める》は、時間旅行をテーマにした8章からなるシリーズの1点である。例えばイギリスの小説家H.G.ウェルズは、著書『タイム・マシン』(1895年)の中で、時空間を自由に往来する人類の未来をディストピア的な世界観をもって描いたように、ティラヴァニは、未来を流動的な空間「クローム」であると見立て、異なる時間旅行の物語を格言めいたタイトルとともに語り、時空について言及している。宇宙時代 を想起させるクールで冷たいシルバーの大判プリントはクローム空間への入口を示し、3Dプリンタで作った陽気なオブジェが乗った銀色の台は時間旅行の入り口の鍵となる。プリントの四隅にある数字は自然界にも出現するフィボナッチ数で、プリントに描かれたダーウィンの生命の樹にも関連して、草木の枝分かれの仕組みに最適な黄金比を示唆しているとも考えられる。

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