photo: IKEDA Hiraku

記憶の部屋について

作家名(日)塩田千春+岡田利規
作家名(英)SHIOTA Chiharu + OKADA Toshiki
制作年2009
素材・技法窓、脚本
著作権表示© SHIOTA Chiharu
© OKADA Toshiki
収蔵年2010(作品購入年月日:2010/03/16)
受入方法購入
解説塩田千春:1972年大阪府(日本)生まれ、ベルリン(ドイツ)在住。
岡田利規:1973年神奈川県(日本)生まれ、熊本県在住。

塩田千春は1996年にハンブルグ大学に留学して以来ドイツに拠点を求め、マリーナ・アブラモヴィッチとレベッカ・ホルンに師事。自らの内側に溢れるぬぐい去ることのできない感情や感覚をインスタレーション作品やドローイング、あるいはパフォーマンスで表現している。演劇作家、小説家であり、チェルフィッチュ主宰者でもある岡田利規は、現代の若者を象徴するような日本語の台詞と身体の動きをわざとずらす作風を確立し、進化させている。『マンション』(2002年4月)や第49回岸田國士戯曲賞受賞作品『三月の5日間』(2004年2月)など、時にダンス的ともいわれる作品は、コンテンポラリー・ダンスの分野においても注目が集まる。捉えどころのない日本の現在を巧みにあぶり出していく視点は、小説の分野でも評価され、『わたしたちに許された特別な時間の終わり』で第2回大江健三郎賞受賞。

塩田千春によるインスタレーション《記憶の部屋》と岡田利規による演劇プログラムが一体化した作品で、《記憶の部屋》を参照しつつ、岡田利規が演劇という形で《記憶の部屋》に応えた作品。インスタレーションとテキストが、互いに補完し合ったり拡張したりする関係は、いわゆる舞台美術と演劇との関係とは異なるものである。そこに第3の関わりとして観客が存在し、偶然にもその日その時に演じられる時間に立ち合うことで作品《記憶の部屋について》は完成するのである。演じられるストーリーは「シンプルな寓話」のようなもので、窓を境にした向こう側とこちら側、わたしとあなた、かつていた人の記憶など、複数の人称、時制、場所が重層的に折り重なり錯綜しながらモノローグで演じられる。

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