photo: Sunhi MANG
記憶の部屋
作家名(日) | 塩田千春 |
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作家名(英) | SHIOTA Chiharu |
制作年 | 2009 |
素材・技法 | 窓 |
サイズ | サイズ可変 |
著作権表示 | © SHIOTA Chiharu |
収蔵年 | 2008(作品購入年月日:2008/09/19) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1972年大阪府(日本)生まれ、ベルリン(ドイツ)在住。 1996年にハンブルグ大学に留学して以来ドイツに拠点を求め、マリーナ・アブラモヴィッチとレベッカ・ホルンにそれぞれ師事し、自らの内側に溢れるぬぐい去ることのできない感情や感覚をインスタレーション作品やドローイング、あるいはパフォーマンスで表現している。窓を使った作品は、第1回セビリア・ビエンナーレ(2004年)で発表して以降、時に迷路のようであったり家であったりと形を変えてはいるものの、いずれも異なる記憶を持つ窓という個の集積が、亡き者や過ぎた事を、今を生きる私たちに語りかけている。 旧東ベルリンで取り壊しや改築によって不要となった建物の窓を塩田自らが集め、その窓だけで作られた作品である。重なり合いながら高くそびえる円柱の両端に翼のように窓が連なる。20世紀の特異な歴史を持つ都市・ベルリンに残されたこれらの窓には、時代の空気や人々の暮らしが染み付いている。剥げ落ちた塗料や割れて残ったガラスの破片は時間の流れにまかせて風化してきたもので、1枚とて同じものはない。作品の中央には、「彼の椅子」と名付けられたアンティークの椅子が置かれている。「彼」とは、この場合、かつてそこにいた誰か、という意味で使われていて、かつての存在を今はもう目に見えない不在によって際立たせている。 |