photo: SAIKI Taku

浮くもの/沈むもの

作家名(日)島袋道浩
作家名(英)SHIMABUKU
制作年2008
素材・技法野菜、果物、水、水槽、鉄の台、流水システム
サイズサイズ可変(水槽:H60 × W90 × D45cm × 2、 鉄の台:H100 × W90 × D45cm × 2)
著作権表示© SHIMABUKU
収蔵年2009
受入方法購入
解説1969年兵庫県(日本)生まれ、沖縄県在住。

1990年代初頭より世界中を旅しながら、人間の生き方や新しいコミュニケーションの在り方に関するパフォーマンスやインスタレーション作品などを制作している。パリのポンピドゥ・センター、ロンドンのヘイワード・ギャラリーなどでのグループ展や、2003年ヴェネツィア・ビエンナーレ、2006年サンパウロ・ビエンナーレなどの国際展に多数参加。2013年、金沢21世紀美術館にて個展を開催。

《浮くもの/沈むもの》の展示に際し、島袋道浩はまず近隣の八百屋などを渡り歩き、多くの人々との対話から「展示物」を選び出した。選ばれた野菜は丁寧に水槽へと収められ、水中を漂いながら「作品」として新たな生を受け、鑑賞者と接する。浮いたり、沈んだり、水槽の中を漂う野菜は傷む前に美術館職員によって交換され、食べるよう指示されている。つまりは野菜が、作家と業者、鑑賞者そして学芸員らに展覧会期中、絶えず対話を設ける契機を与えているのだ。また、《箱に生まれて》は、段ボール箱自身が作家の母語でもある神戸弁をもって、箱としての人々との交流や自らのアイデンティティについて語りかける、という作品だ。ここでも、人々との交流があるからこそその人生を肯定的に捉えられる、と箱は話す。このように彼の作品は、一見したところの美しさやユーモアのみならず、あらゆるものをそのままに受容する寛大さを湛えながら、人との交わりの喜びと尊さのための環境を飽くことなく生み出し続けている。

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