© KOIE Makiko
From the series ”P,” P-30
作家名(日) | 鯉江真紀子 |
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作家名(英) | KOIE Makiko |
制作年 | 2001 |
素材・技法 | 発色現像方式印画 |
サイズ | H120 × W360cm |
著作権表示 | © KOIE Makiko |
収蔵年 | 2008(作品購入年月日:2008/03/31) |
受入方法 | 購入 |
解説 | 1969年京都府(日本)生まれ、同地在住。 鯉江真紀子は、1990年代より一貫して、自然のシリーズや、競馬場、野球場などの群衆を大画面に表現する写真作品を制作している。これらの作品では、客観的に対象が捉えられているというよりはむしろ、イメージのブレや重なり、繊細な諧調の色彩が用いられていることにより、心象風景のような世界が生み出されている。イメージが何層にも重なる画面には、遠い記憶の中の静寂さが漂う。 画面には群衆が映し出されている。実際に撮影されているのは、競馬場や野球場といった場所に集まった群衆であり、撮影後写真は引き伸ばされ大画面にされた。人の姿はブレて重なり、何重もの人の層から構成されるイメージが生み出されている。人の姿は左右に波打ち、顔立ちは見分けにくく、淡い色調の世界が広がる。鯉江はフィルムでの撮影、現像で微妙な色調整を繰り返すことで作品に繊細な質感と奥行きを与える。「整然」や「統一」といったイメージを想起させる熱狂する群衆を扱いながらも、冷静に、客観的に完結させるのではなく、むしろ心象風景のような感覚的な世界へと変容させ、我々を意識の奥へと誘い込む。 |